新年の挨拶と結びの言葉の例文集！ マナーから使い分けまで

新しい年のはじまりには、感謝と願いを込めた「新年の挨拶」を交わす文化があります。

しかし、ビジネス・友人・家族など相手によって言葉の選び方が違うため、どんな表現を使えばいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「新年の挨拶 例文 結び」をテーマに、シーン別の挨拶例文や心に残る結びの言葉をわかりやすく紹介します。

フォーマルにもカジュアルにも使えるフルバージョン例文を多数掲載しているので、そのまま使えるテンプレートとしても活用できます。

今年の挨拶を、より丁寧で印象に残る一文に仕上げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

新年の挨拶とは？日本の文化と意味をやさしく解説

新しい年の始まりに交わす「新年の挨拶」は、日本独自の大切な文化です。

この章では、なぜ人々が新年に挨拶を交わすのか、そして賀詞や結びの言葉の違いについて整理していきます。

なぜ新年に挨拶をするのか

新年の挨拶は、年の初めに互いの無事や幸福を喜び合うためのものです。

もともとは、歳神（としがみ）と呼ばれる一年の福を司る神様を迎える行事から生まれたといわれています。

つまり、「あけましておめでとうございます」という言葉には、ただのあいさつ以上に「新しい年を共に迎えられた喜び」を分かち合う意味が込められています。

現代では、感謝や信頼を伝える機会としても重視されており、特にビジネスシーンでは重要なコミュニケーションの一つとなっています。

目的	意味・背景
感謝	前年のお世話になった相手へ感謝を伝える
祝福	新しい年を迎えた喜びを分かち合う
礼儀	相手との関係を丁寧に保つマナー

新年の挨拶は、言葉を通じて「今年もよろしくお願いします」という心のつながりを形にする文化といえるでしょう。

賀詞・あいさつ文・結びの違いを整理しよう

新年の挨拶文は、大きく「賀詞（がし）」「あいさつ文」「結び」の3つの要素に分けられます。

それぞれの役割を理解することで、自然で印象の良い文章が書けるようになります。

要素	内容	例文
賀詞	新年を祝う言葉。冒頭に置く。	「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」
あいさつ文	感謝や近況、今年の抱負などを述べる部分。	「旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。」
結び	相手への思いや願いを込めて締めくくる。	「皆様のご多幸をお祈り申し上げます。」

賀詞だけで終わると味気なく、逆に長すぎると重たくなるため、3要素のバランスがとても大切です。

文章を組み立てるときは、「始まりの祝福 → 感謝と近況 → 結びの言葉」という流れを意識すると自然な印象になります。

この流れを押さえるだけで、どんな相手にも好印象を与える新年の挨拶文が書けるようになります。

新年の挨拶で気をつけたい基本マナー

挨拶文そのものが丁寧でも、タイミングや言葉遣いが適切でないと印象が下がってしまうことがあります。

ここでは、新年の挨拶を送るうえで最低限知っておきたいマナーを、具体的な例とともに整理します。

「松の内」とはいつまで？送るタイミングの目安

新年の挨拶は、一般的に「松の内（まつのうち）」と呼ばれる期間に行うのが正式とされています。

松の内とは、門松を飾って歳神様をお迎えしている期間のことで、地域によって日程が異なります。

地域	松の内の期間
関東地方	1月1日〜1月7日
関西地方	1月1日〜1月15日

そのため、関東では1月7日まで、関西では15日頃までに挨拶を済ませるのが目安です。

この期間を過ぎた場合は、形式を変えて「寒中見舞い」として出すのが礼儀です。

遅れた場合の寒中見舞いへの切り替え方

松の内を過ぎてから新年の挨拶を出すときは、賀詞を使わずに季節の便りとして「寒中見舞い」を用います。

たとえば、次のように書き換えると自然です。

誤った例	適切な書き換え例
「あけましておめでとうございます。」	「寒中お見舞い申し上げます。厳しい寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」

このように、時期に合わせて言葉を変えることで、マナーを守りながら気遣いを伝えることができます。

相手別に言葉遣いを変えるポイント

新年の挨拶は、送る相手によって言葉のトーンや敬語の使い方を調整することが重要です。

たとえば、上司や取引先には敬語を丁寧に使い、友人や同僚にはやわらかい表現を選ぶと良い印象になります。

相手	適したトーン	例文
上司・取引先	丁寧でフォーマル	「旧年中は大変お世話になりました。本年もご指導のほどよろしくお願いいたします。」
同僚	親しみを込めて穏やか	「昨年はありがとうございました。今年も一緒に頑張りましょう。」
友人	カジュアルで温かみのある言葉	「あけましておめでとう。今年も楽しい一年にしようね。」

同じ「おめでとう」でも、言葉のトーンが相手との関係を映し出します。

送る相手の立場や関係性に合わせた表現を選ぶことが、印象の良い挨拶文づくりの第一歩です。

形式ではなく「心のこもった言葉」で伝えることこそ、新年の挨拶における最大のマナーです。

ビジネス向けの新年の挨拶例文

ビジネスシーンでの新年の挨拶は、社交辞令のようでいて実はとても大切な信頼構築の機会です。

ここでは、上司・取引先・社内・メールなど、それぞれの場面で使える具体的な例文をまとめました。

上司・取引先に使える丁寧な挨拶文

上司や取引先には、感謝の気持ちと今年への抱負を丁寧な言葉で伝えることがポイントです。

シーン	例文
フォーマル（取引先宛）	謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は格別のご支援を賜り、誠にありがとうございました。 本年もより一層の努力を重ねてまいる所存です。 何卒変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
上司宛（年賀メールなど）	あけましておめでとうございます。 昨年は多くのご指導をいただき、心より感謝申し上げます。 本年も引き続きご指導のほど、よろしくお願いいたします。 〇〇さんにとって実り多い一年となりますようお祈り申し上げます。

挨拶の基本構成は「祝福 → 感謝 → 抱負 → 結び」。この順番を守るだけで自然で丁寧な印象を与えられます。

社内メールや社長挨拶での使い方

社内向けでは、チームの一体感を意識し、前向きなメッセージを添えるのがコツです。

宛先	例文
社内（上司・同僚宛）	新年あけましておめでとうございます。 昨年は多くのご協力をいただき、誠にありがとうございました。 本年もチーム一丸となり、より良い成果を目指してまいりましょう。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
社長挨拶（社内報・年頭メッセージ）	新春を迎え、皆様に心よりお祝いを申し上げます。 昨年は社内外の多くの方々にご支援を賜り、感謝申し上げます。 本年も変わらぬご協力のもと、さらなる飛躍を遂げてまいりたいと存じます。 皆様にとって充実した一年となりますようお祈り申し上げます。

社内用では、感謝に加えて「共に頑張る」という姿勢を見せることが重要です。

一方、社外文書では「感謝」と「お願い」を中心に据えると礼を失いません。

避けたほうがいいNG表現とその理由

新年の挨拶では、無意識に使ってしまいがちなNG表現があります。

相手に不快感を与えないためにも、次の表現は避けるようにしましょう。

NG表現	理由と代替表現
「去年はお世話になりました」	「去年」ではややカジュアル。 →「旧年中は」「昨年は」などを使用。
「頑張ります」	抽象的で印象が弱い。 →「精進してまいります」「努力を重ねてまいります」に置き換える。
「よろしくです」	ビジネスでは略語を避ける。 →「よろしくお願いいたします」に統一。

丁寧で誠実な言葉選びこそが、ビジネス挨拶の信頼を生む鍵です。

プライベート向けの新年の挨拶例文

家族や友人など、親しい相手への新年の挨拶は、形式よりも「気持ちを伝えること」が大切です。

この章では、カジュアルで温かみのある例文をたっぷり紹介します。

友人・家族に送る親しみのあるメッセージ

フォーマルすぎず、やわらかい表現を心がけましょう。

短文から手紙向けの長文まで、使いやすい例文を紹介します。

シーン	例文
友人へ（短文）	あけましておめでとう。 昨年はなかなか会えなかったけど、またゆっくり話したいね。 今年もどうぞよろしく。
家族へ（手紙向け）	新年あけましておめでとうございます。 いつも温かく見守ってくれてありがとうございます。 今年もお互いに笑顔の多い一年にしましょう。 また顔を見せに行きますね。
知人・ご近所へ	謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は何かとお世話になり、ありがとうございました。 本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

親しい相手でも、年始の挨拶では丁寧さを忘れずに。「ありがとう」や「今年もよろしく」といった一言を添えるだけで、印象がぐっと良くなります。

LINEやメールで使えるカジュアルな一言

最近は年賀状よりもLINEやメールで挨拶を済ませる人が増えています。

短くても気持ちが伝わるフレーズをいくつか紹介します。

トーン	例文
明るく親しみやすい	「あけましておめでとう！今年もよろしくね！」
やや丁寧	「新しい年が素敵な一年になりますように。今年もよろしくお願いします。」
シンプル	「おめでとう。今年も変わらず仲良くしてね。」

短文でも心がこもっていれば十分伝わります。スタンプや絵文字を使う場合も、相手との関係性に合わせると良いでしょう。

手紙や年賀状で使うと心が伝わる表現

手書きの挨拶文は、どんな時代でも特別な温かみがあります。

ここでは、文面の流れに沿ったフルバージョン例を紹介します。

構成	例文
基本構成	あけましておめでとうございます。 昨年はたくさんの思い出を共有できて嬉しかったです。 いつも優しくしてくれて本当にありがとう。 今年も穏やかで楽しい一年になりますように。 また近いうちに会えるのを楽しみにしています。
フォーマル寄り	謹んで新年のお喜びを申し上げます。 旧年中はお力添えをいただき、誠にありがとうございました。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 皆様にとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。

文章の長さよりも、「相手の顔を思い浮かべながら書く」ことが一番大切です。

どんなに短い文でも、心を込めて書けばきっと相手に伝わります。

挨拶を締めくくる「結びの言葉」の使い方

挨拶文の最後に入れる「結びの言葉」は、全体の印象を決める大切な部分です。

この章では、ビジネス・プライベートの両面で使える自然な結びフレーズを整理し、例文付きで紹介します。

結びの言葉の役割と基本構成

結びの言葉は、相手の幸せや今後の関係を願って締めくくる文章です。

いきなり文を終わらせるのではなく、感謝と気遣いを込めた一文を加えることで、印象がぐっと上品になります。

役割	文例
感謝を伝える	「本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」
願いを込める	「皆様にとって穏やかで良い一年になりますように。」
体裁を整える	「末筆ながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。」

文章の最後に“ひと呼吸”置くような気遣いを入れると、読み手の印象がやわらかくなります。

ビジネス向けの結びフレーズ一覧

取引先や上司など、フォーマルな相手に向けて使える結びフレーズを紹介します。

どんな文にも自然に添えられる万能表現ばかりです。

トーン	例文
定番	「本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。」
丁寧	「皆様のますますのご発展をお祈り申し上げます。」
やや改まった表現	「末筆ながら、貴社のご繁栄と皆様のご健勝をお祈りいたします。」

このように結びの言葉には「祈り」や「お願い」といった柔らかい表現が多く使われます。

命令調や断定的な言葉を避けることで、相手に誠実な印象を与えることができます。

プライベート向けの優しい結びフレーズ集

家族や友人に向けたメッセージでは、形式にこだわらず気持ちを伝える言葉を選びましょう。

ここでは、温かみを感じる自然な言い回しを紹介します。

トーン	例文
やさしい	「今年も笑顔の多い一年になりますように。」
親しみやすい	「また近いうちに会えると嬉しいです。」
丁寧	「本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

また、手紙などでは結びの前にひとこと添えると、より自然になります。

構成	フルバージョン例
やさしい調子	昨年はたくさんの思い出をありがとう。 また一緒に笑い合える一年になりますように。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
フォーマル寄り	旧年中のご厚情に心より御礼申し上げます。 本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。 皆様にとって良い一年となりますようお祈り申し上げます。

「最後の一文」が、挨拶全体の印象を決める最大のポイントです。

感謝と願いを込めた言葉で締めくくれば、どんな相手にも好印象を残せます。

メールや手紙で新年の挨拶を書くときのコツ

メールや手紙での新年の挨拶は、文章の流れと印象の良い構成が大切です。

ここでは、件名の付け方から本文構成まで、ビジネスにもプライベートにも使える書き方を紹介します。

件名や書き出しで好印象を与える工夫

ビジネスメールでは、件名を見ただけで内容がわかるようにするのが基本です。

プライベートの場合は、やや柔らかく親しみのある表現を選びましょう。

シーン	件名例
ビジネス	「新年のご挨拶｜本年もよろしくお願いいたします」
上司宛	「謹賀新年のご挨拶を申し上げます」
友人宛	「あけましておめでとう！今年もよろしくね」

書き出しでは、賀詞（がし）と呼ばれる新年の祝いの言葉を冒頭に入れます。

以下のようなバリエーションを使い分けましょう。

トーン	賀詞例
フォーマル	「謹賀新年」「恭賀新春」「謹んで新春のお慶びを申し上げます」
カジュアル	「あけましておめでとうございます」「新しい年が始まりましたね」

件名と書き出しで「誰に向けての挨拶か」が伝わると、受け手にとって読みやすい印象になります。

本文構成の黄金パターン（例文付き）

新年の挨拶文には基本の型があります。ビジネスでもプライベートでも、以下の流れを意識すると自然な構成になります。

構成	内容	例文
① 賀詞	新年を祝う言葉	「謹んで新春のお喜びを申し上げます。」
② 感謝	前年の支援・関係へのお礼	「旧年中はご指導を賜り、誠にありがとうございました。」
③ 抱負	今後の抱負や姿勢を述べる	「本年も一層の努力を重ねてまいります。」
④ 結び	相手への気遣いや願いで締める	「皆様にとって良い一年となりますようお祈り申し上げます。」

これを踏まえたフルバージョンの例文を紹介します。

宛先	フル例文
上司・取引先宛（フォーマル）	謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は格別のご支援を賜り、誠にありがとうございました。 本年もより一層の努力を重ね、信頼にお応えできるよう努めてまいります。 変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
友人宛（カジュアル）	あけましておめでとう。 昨年はたくさんの楽しい時間をありがとう。 今年もたくさん笑顔の思い出を作ろうね。 本年もよろしく。

構成を意識することで、どんな相手にも丁寧で読みやすい挨拶文になります。

注意すべきマナーと送るタイミング

新年の挨拶メールや手紙を送るタイミングにも気を配りましょう。

ビジネスでは、仕事始めの日（1月4日前後）に送るのが基本です。

プライベートでは、年賀状と同じく1月7日頃までが目安です。

シーン	送る時期の目安
ビジネスメール	1月4日〜1月6日
年賀状・私信	1月1日〜1月7日
松の内を過ぎた場合	「寒中見舞い」に切り替える

また、ビジネスで送る場合は、相手の勤務開始日を考慮して配慮あるタイミングを選ぶのが理想です。

「早すぎず遅すぎず、相手の都合を思いやる」ことが、メールマナーの基本です。

まとめ｜心に残る新年の挨拶を送るために

ここまで、新年の挨拶文の書き方やマナー、そして結びの言葉の選び方を紹介してきました。

最後に、読んだ内容を整理しながら「印象に残る挨拶文」を仕上げるポイントをまとめましょう。

感謝と願いを伝えることで関係が深まる

新年の挨拶は、単なる形式的な文書ではなく、人と人とのつながりを深める大切な機会です。

前年への感謝と、新しい年への前向きな思いを言葉にすることで、自然と心の距離が近づきます。

目的	意識すべきポイント
ビジネス	感謝と信頼を言葉にする
プライベート	相手への思いやりと親しみを込める

新年の挨拶は「ありがとう」と「これからもよろしく」を伝えるための、最もシンプルで美しい言葉の文化です。

相手に合わせた言葉選びを意識しよう

同じ「あけましておめでとうございます」でも、表現のトーンを少し変えるだけで印象は大きく変わります。

大切なのは、自分の言葉で伝えること。文章例を参考にしながら、相手との関係性にぴったりな表現を選びましょう。

相手	おすすめの表現
取引先	「旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。」
上司	「昨年は多くのご指導をいただき、ありがとうございました。本年もご教示のほどお願いいたします。」
友人	「あけましておめでとう。今年もたくさん話そうね。」
家族	「いつもありがとう。今年も穏やかに過ごそうね。」

「誰に」「どんな気持ちで」伝えるかを意識するだけで、言葉の温度が変わります。

それが、印象に残る挨拶文づくりの一番のコツです。

新年の挨拶は、相手の心に「今年もよろしく」という温かい余韻を残すためのメッセージ。

このページで紹介した構成や例文を参考に、あなたらしい言葉で一年のはじまりを彩ってみてください。